家政学雑誌
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黒大豆 (Glycine max, Merrill. forma Kuromame Makino) 中のトリプシンインヒビターの煮豆時の活性変化
光永 俊郎福岡 千鶴子清水 まゆみ
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1985 年 36 巻 9 号 p. 665-669

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抄録

黒大豆のTI活性は, 黒大豆を煮沸させた調味液に浸漬するだけで50%が失活した.この活性は煮豆過程が進むとともに失われ, 最終的にはTI活性はほとんど認められなくなった.調味液中への活性成分の溶出も非常にわずかであった.一方, 黒大豆粗製TIは加熱により失活し, これは塩基性側, 高水分下で, また豆中のTI以外の物質の存在により促進された.煮豆時にもこれらが熱失活を促進すると考えられた.実際には, pHによる影響は若干であり, 豆中のTI以外の物質および水分により, 大部分のTIが熱失活することが推察された.

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