シーツとベッドパッドの違いが暑熱環境での入眠過程および寝床内気候に及ぼす影響を検討した.被験者は成人男性8名とし,29℃70%RHの環境で綿のシーツとポリエステルのベッドパッド(条件C)と麻のシーツとベッドパッド(条件A)を夫々使用した場合の2条件で13:30~15:30まで就寝した.測定項目は睡眠脳波記録,皮膚温,衣服内気候,寝床内気候,温冷感,眠気,睡眠感,寝具の主観評価であった.条件Cで条件Aよりも有意に覚醒回数と睡眠段階1が増加した.腰部の寝床内湿度は条件Cで条件Aよりも有意に高かった.主観申告では,条件Cで条件Aよりも寝ている時の温冷感が有意に暑い側であり,発汗も汗をかいている側であった.暑熱環境下でのシーツとベッドパッドの違いは,寝床内湿度を上昇させることから,覚醒回数や睡眠段階1を増加させ,寝ている時の温冷感を暑い側,発汗も汗をかいている側の申告にする可能性が示唆された.