臨床血液
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臨床研究
小児成熟B細胞腫瘍に対するLMB型治療の自験例
大隅 朋生森 鉄也塩田 曜子清谷 知賀子寺島 慶太加藤 元博富澤 大輔大木 健太郎清河 信敬岩淵 英人義岡 孝子中澤 温子松本 公一
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2016 年 57 巻 3 号 p. 346-352

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抄録

小児B-NHLに対する標準治療としてFAB/LMB96治療(LMB型治療)があるが,国内におけるまとまった報告はない。当センターの13例の経験を報告する。男/女児:8/5例,年齢中央値:7.5歳,BL/DLBCL: 9/4例,病期I/II/III/IV/B-ALL: 3/4/2/1/3例,CNS浸潤:3例。入院期間中央値はGroup B(9例)で約3か月,Group C(4例)で約7か月。全例で規定の時期に寛解が得られ,無再発生存中(観察期間中央値2.3年)。毒性については発症頻度を含めてFAB96/LMB試験の報告と類似していた。Group Cの寛解導入療法後には高度の口腔粘膜障害を全例に,強化療法中に3件の敗血症を認めた。Group Cの8 g/m2の大量メトトレキサート投与は3 g, 5 g/m2と同様の支持療法で対応可能だった。LMB型治療は日本人小児に対する国内の医療環境において安全に実施し得ると考えられた。

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© 2016 一般社団法人 日本血液学会
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