日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
MRI検査が診断に有用であった空腸異所性膵癌の1例
小川 智福島 政司鄭 浩柄藤田 幹夫杉之下 与志樹岡田 明彦猪熊 哲朗佐竹 悠良三木 明今井 幸弘
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キーワード: 異所性膵, 迷入膵, 膵癌, 空腸, 小腸
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2015 年 112 巻 1 号 p. 70-77

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抄録

症例は70歳男性.検診でCA19-9の上昇を指摘され,当院へ紹介となった.MRI検査で周囲に腺管様構造をともなう小腸腫瘍を認め,異所性膵癌が疑われたため小腸切除術を施行した.病理学的検討でHeinrich I型の空腸異所性膵に発生した腺癌の診断に至り,現在化学療法を継続中である.異所性膵は胃や十二指腸での発生が多く,一部には癌化の報告もある.しかし,空腸の異所性膵癌の報告は非常にまれであり,貴重と考え,今回報告する.

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© 2015 (一財) 日本消化器病学会
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