都市計画論文集
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想定する地域形状および道路網パターンの違いが平均間口の算出に及ぼす影響
道路延長密度は不変の条件下において
薄井 宏行浅見 泰司
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 47 巻 3 号 p. 829-834

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抄録

市街地における平均的な物的環境を把握する際に、規範的な道路網および街区のパターンとして格子状パターンを想定する場合が多い。その理由として、格子状パターンが有する規則性と理論的な扱いやすさを指摘することができる。しかしながら、実市街地における道路網パターンは格子状でもなく完全に不規則なパターンでもない。本稿では、市街地における平均的な物的環境を示す指標として、敷地の平均間口に着目する。平均間口を理論的に導出するために、規範的な道路網パターンとして格子状パターンおよびランダムパターンの二種類を想定する。また、地域形状として正方形および凸多角形の二種類を考える。その結果、1)地域形状の違いは平均間口の算出結果にほとんど影響を及ぼさないこと、2)道路延長密度は同じ条件下において、想定する道路網パターンの違いによる平均間口の算出結果の違いは平均5%であり、最大でも約20%であること、3)ランダムパターンをなす地域における平均間口は格子状パターンをなす地域における平均間口よりも平均で4%短いことがわかった。

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© 2012 公益社団法人 日本都市計画学会
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