主催: 日本学術会議 機械工学委員会・土木工学・建築学委員会 合同IUTAM分科会
共催: 日本機械学会, 日本気象学会, 日本地震工学会, 日本物理学会, 農業農村工学会, 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本材料学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会
実地盤のほとんどは間隙が水と空気によって満たされている不飽和状態にあり,その力学特性は粒子間に残存するメニスカス水による表面張力の影響を受ける。たとえば,表面張力の影響を受けて高い剛性を示す(緩い間隙を保持する)不飽和土が,一度浸水作用を受けると表面張力を失い大きな変形(コラプス)を生じることは広く知られている。このように不飽和土の力学特性は飽和土のそれとは大きく異なるが,自然乾燥,降雨浸潤などによって飽和から不飽和および乾燥状態が刻々と変化する土の力学特性は,内部水分量の変化に対して連続的かつ統一的(飽和土構成モデルの理論がそのまま適用可能)に扱われる必要がある。そこで本研究では,保水特性と密接に関係する飽和・不飽和土の力学挙動の統一的なモデル化に加えて,乾燥・湿潤履歴および密度の影響を考慮した地盤材料の保水特性をモデル化する。提案モデルは,本研究グループが行った不飽和カオリンクレーの圧縮・せん断試験,ならびに浸水試験の結果からその広範な適用性が示される。