2013 年 48 巻 6 号 p. 274-280
化学輸送モデル (GEOS Chem) とアジア域における大気汚染物質排出インベントリREAS を用い、2004 年 – 2013 年にかけての東アジア域のエアロゾル濃度の経年変化の解析を行った。その結果、2013 年1 月は特異的にシベリア高気圧強度が弱く、中国東部で高濃度汚染の起こりやすい条件となり、PM2.5 の超高濃度汚染が発現したことを明らかにした。モデルによる収支解析の結果から、2013 年1月は例年に比較して、中国から日本域への輸送量の大きな増加はなく、日本における高濃度の頻度も例年より少なかった。