日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
内視鏡分子イメージングの現況と展望
六車 直樹 藤本 将太藤野 泰輝岡本 耕一高山 哲治
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2017 年 59 巻 7 号 p. 1473-1481

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抄録

内視鏡分子イメージングは,従来のイメージング技術とは異なる方法でターゲット分子の局在,機能,性質を付加情報として与えることができる新たな技術である.本技術の確立には,1)病変における特異度・感度ともに高いバイオマーカーの発見・確立,2)バイオマーカーとの親和性が高く,明瞭なシグナルを産出可能な蛍光プローブの存在,3)低侵襲でリアルタイムに高解像度のイメージを供給可能な画像機器の開発の3点が重要な要素となる.本技術は,消化管癌に対するスクリーニングのみならず,治療方針の決定や治療効果の判定に応用が可能と考えられる.抗体医薬,低分子化合物の普及などに伴い治療と診断を融合したTheranosticsの臨床応用が期待され,内視鏡分子イメージングは個別化医療においても中心的な役割を果たすと考えられる.

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© 2017 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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